女=事務仕事
大学4年間でいろんなバイトを経験した。
100均、百貨店、量販店、イベント、講師、
などなど…
主に接客と、インストラクターが私のバイトの軸であった。
接客は決して苦手ではなかった。
だからこそ、飲食店ではなくて販売店でバイトをしたかったので、レジ業務を主に行うバイトばかりしていた。
そんな私がなぜインストラクターなんてものをやっているのか。
インストラクターの仕事は、誘われて始めた。
対象は小学生。
子供は嫌いではなかったし、日当で給料がもらえるということだったのでやってみようかなと思ったのと、私は誘われたら断れないタイプなのでとりあえず入ってみた。
子供たちに夢を。
そんなようなテーマを掲げて、小学生に向けた授業や教育を行う団体である。
私はそこで働く人たちを見て、はなしをきいて、どんどん魅了された。
私も実際、小学生や中学生の頃、興味を持ったことが今の人生選択に大きく関わっている。
だからこそ、子供たちに夢を。そしてその夢を、実現できる環境を提供することはとても大切なことだと賛同していた。
はじめは人数合わせの補助的な仕事ばかりしていたが、指導理念にすごく共感していたこと、私もその事業に関わる人間としてもっと活躍できる人材になりたいと思い、自ら手を挙げて仕事をもらった。
遠方のイベントや講師の活動も率先して受け入れた。
だけど、まだ始まったばかりのその事業には男性しかおらず、女の私はやはり事務的なタスク処理が多かった。私はそれがとても不満だった。
女でも、女だからこそ、できることがある。
必死に勉強して、スキルをつけて、同じ土俵で仕事をさせてもらえるようにお願いをした。
当時その事業を担当していた人は、私のその気持ちを買ってくれた。同じように仕事をもらい、インストラクターとして名前を呼ばれるようになった。
経験を積めば積むほど、スキルも上がっていき、できることが増えていくことがすごく楽しかった。
そして、必要とされる人材になっていることを実感していた。
しかし同時に嫌な思いもたくさんした。
単に接客業のような、決まった仕事を淡々とこなすのではなく、心で会話をする必要があった。当時の私にはそれができなかった。
それができないことに劣等感を感じ自暴自棄になってしまう日も少なくなかった。
そんな日にかけられた言葉がある。
「自分がいくら悩んでいようが、落ち込んでいようが、それを相手に悟られてはいけないんだよ」
。
散々貶されたし、ひどい扱いをされたのでものすごく悔しかったが、本当にその通りだと思った。
私が勝手に自暴自棄になり、落ち込んでいようが、相手にとっては知ったことではない。それを表に出してしまうということ自体がとても幼稚で、自分勝手な行動だったのである。
それから無敵の笑顔を手に入れた。
どんな時でもとにかく笑顔で、明るく接することに徹した。どんなことを思っていても絶対に悟られないように。
それまでの生活を振り返れば、
誰にでもかしこでも自分の感情を表に出しすぎて損をすることはいくらでもあった。
だけど、自分の目の前にいる人が必ず信用できる人だとは限らない。だからこそ、自分で見極め、判断する必要がある。
仕事は仕事、プライベートはプライベート
と割り切ることができるようになった。
それから間も無くして、事業を担当していた社員の人が会社を辞めた。
私を買ってくれていたその人がいなくなり、また元どおり。女=事務仕事に変わった。
インストラクターの仕事は全くやらせてもらえなくなってしまったし、事務関連の仕事にもだんだん呼ばれる回数が少なくなっていった。
次の担当の社員はとてもじゃなく馬が合わなかった。私が気を利かせてやったことも、全部反対になっているし、なにも知らないのになんでやってないの?と責め立てられる。
異様な量の仕事を押し付けられたかと思えば、仕事が遅いと嫌味を言われるようになった。
どんな時も笑顔でいること。
仕事は仕事で割り切ると決めていたので、なにを言われても絶対嫌な顔をしないと決めていた。
むしろそれが逆効果だったのかもしれない。
回数を重ねるごとに言われる回数が増え、比例して仕事に呼ばれる回数も減った。
今は別の会社でインストラクターのバイトをしている。素の会社とは縁が切りにくく、月に1回程度は仕事をしに行くが、それ以上の付き合いはしていない。
今は別の場所で認めてもらえているのでそれでいいと思っている。
でも、時々すごく悲しくなる時がある。
講師の仕事を始めて3年目になる。
当時いた先輩も社会人になり、私が先輩になった。今まで教えてきてもらったことを後輩に教えたかった。つたえたかった。そうすることで、子供たちに夢を持っともらえる環境が作っていけると思っていた。
だけど私にはそんな場所も与えてもらえなかった。教えると上から目線で怖いとか、言い方がどうとか少しずつ文句を言われ、講師の場には立たせてもらえなかった。
ああ、もうここに私の居場所はないんだなと思った。
私が必死で頑張ってきた2年間ってなんだったんだろうと思う。
学生が終わる=この仕事が終わるこの1年でその努力が報われ、讃えられるとまで思っていたからこそ、そんな無下な扱いをされてとても悲しい。
まあ、思い通りにいくことなんてそんなにないし、今の評価が私の評価だから受け入れるしかない。
そしてそれが嫌なら、逃げるしかない。
バイターだからこそ、逃げるという選択肢が取れると思っている。
同時に、もし社会に出た時、某社員のように私を毛嫌いする上司がいたらどうしようとも思う。
不安になる。
今は逃げれるけど、きっと社会に出たらそうはいかない。
この会社への想いはもうそこまでないし、別の場所でいろいろとやらせてもらえてるので、そこに対してとやかく言うのはもう辞めた。
だけど、これから社会に出たら私どうやって人間関係築いていこう、ってことは
答えが出るまで考えたほうがいいなと思う日々であった。
ちなみに、私の元上司である元社員の方は転職してからも縁があり、それこそ講師の仕事をもらっている。よりいい給料で、いい環境で、働かせてもらえている。
そうやって認められる環境があるだけ本当にありがたいなと思う限りである。
そう言う人たちと、環境を大切にして
生きていきたいなと思った深夜1:37。