恋愛ってフィーリングなんだね

とにかく自分を100%好きな人を作りたいと思っていた2年前の冬。

彼氏という存在はそれまでいたことがなかった。縋るような形で今の彼と付き合った。性格も価値観も何も知らないまま。

 

当たり前のように価値観がぶつかり、何回も喧嘩した。私は自我が強くて、こうしてほしい、こうあってほしいという気持ちを人一倍持っていた。自分にも、他人にも。

彼氏には支えてくれる、見守ってくれる存在でいて欲しかった。そして私より完璧で、スマートな人でいて欲しかった。

私の彼は同い年。私が子供のように彼も子供で、恋愛経験値も高くなかった。スマートどころか、ひとの気持ちがあんまり読み取れないひとだと思った。私はもっと察して欲しかったし、何も言わずに話を聞いてくれるような広い心を持った人を彼氏にしたかった。

当時は、そういった不満を全て彼にぶつけた。こうしてよ、こうなってよ。全部言った。彼はその時、本当の自分を好きになったんじゃないと言ったらしい。私はその言葉を全く覚えていない。

だって実際、本当の彼を好きになったんじゃない。彼の容姿に惹かれ、そして彼氏がほしいというわがままな気持ちだけで付き合ったのだから。

 

私も彼もあんまり言葉には出さなかったけど、何回も別れようと思ったし、好きってなんだろうって考えた。

私たちは理論的な部分が全く合わない。一緒にいても、ぶつかってばかり。でも別れられなかった。理論じゃない部分で、とても惹かれあっていたから。

そうやって過ごしていくうちに、彼は私の「理想の彼氏」を演じるようになった。私の気持ちや意見に合わせて行動するようになった。

 

 

 

就活が終わって、私自身いろんな出来事を客観視するようになって、いろんな人と会って話をして価値観を共有する中で、今の彼とは価値観が全く合わないことに気がついた。

それと同時に、彼が私に合わせて変わっていてくれたんだと気づいた。今更になって。

合わせているから本当の彼じゃない。本当の彼じゃないから私も本当の私でいられない。お互いが作り会っていることがとても嫌だった。そこに違和感を感じて一緒にいるのが義務に感じるようになった。物事の価値観が違う。考え方が違う。そこにストレスを感じる時も少なくなかった。

でも彼をそうさせてしまったのは私だ。

今更、ストレスを感じるとぶつけても、彼の頭は混乱するし、私はただのわがまま女だ。

 

そんなんだったら、別れた方がいいと思った。

 

もともと何も知らないまま付き合った仲。もし友達として出会っていたら、きっと付き合わなかったと思うんだ。8割理論で生きている私にとって、そこが合わない人とい続けることは辛かったし、これから先のステップアップに繋がらないと思った。

 

だけど私たちは簡単に別れられない。

 

理論でどうにかなる部分ではないところで、お互いが求めあっているし、とても好きだから。

 

河原で3時間くらい話をした。

 

理論的な部分で私はあなたと一緒にいられないと。

でも、好きという気持ちに理由はない。

無条件に好きなんだと。

 

だけど、今のままでは人間として尊敬ができない。大好きなのに、嫌な部分まで愛さないと。

 

だから距離を置くことにした。

毎日連絡を取っていた私たちにとって、全く連絡を取らない、全く会わないことはとても辛い。私も辛い。とても。

だけど、一度頭をフラットにして考えるためにも、一度離れてみて、彼の魅力を再確認する必要があった。大好きだからこそ、これからは大好きだけじゃやっていけないと思った。

 

彼は、最後まで距離を置くことに必要性を感じないといっていたが、最終的に

「信じて待ってるから」

と言った。

 

私が会いたいというまで、いつまででも待つよと言ってくれた。

 

付き合って1年半程度だが、初めて感情で号泣した。彼の優しさを身に染みて感じた。

 

私の彼は、こんなにもわたしのことを思ってくれていたんだと。

その気持ちを受け止めて、一度頭を整理しようと思った。

 

恋愛ってフィーリングなんだね。

 

理論女には難しすぎる

 

感情を学ぶ瞬間である。