なぜ人は恋愛になると自分勝手になるのか

なぜ人は恋愛になると自分勝手になるのか。

 

最近友達が彼氏と別れた。

その彼氏と付き合うとき、きっかけを作ったのは私だ。

 

その友達とは高校以来の付き合いで、多い時は月に1度ほど会ってご飯に行ったり、長い休みに仲のいい複数人で会って出かける仲である。

友達の少ない私にとって、気を使わなくていい大切な友達の1人である。

 

5月末、飲み会に誘われた。

その友人と、実習先で出会ったといういけめんな男の子、その友達、4人での飲み会である。

友人はイケメンなメンズのことが気になっている様子だった。たしかにかっこいい。普通にいけめんのアイドルを好きになる感覚なのかな、と思っていた。彼氏と別れることも考えていないようだったし、その彼には彼氏がいることも伝えていたので、恋愛感情は全くないのだと思っていた。

友人は推しのメンズに会いたいんだろうと思ったし、私は彼氏へのカモフラージュだと思っていた。

男女4人で飲み会なんてもう2度とないと思ったし、私も人脈を広げたいと思っていたので、win-winかなと思って飲み会に参加することにした。

 

初対面の男女4人。気を使わないわけではなかった。

でも程よく酔って、悪い気持ちではなかった。

私はお酒を飲む&少し仲良くなると自分のことを話したがる癖がある。その日も自分のことをべらべら話してしまったのである。

決して人に話せるような、自慢できるような人生ではない。なのになんの躊躇いもなく話してしまったことがものすごく恥ずかしかった。結局朝までカラオケにいたが、もうこの方達と飲みに行くことはないんだろうな〜と思っていたので、大して気にしていなかった。まあ、学生最後のいい思い出だったなと。

 

しかしその後、4人のグループラインができた。

ああ、意外と引かれてなかったんだなと思ったし、まあ断る理由もないので言われるがままにグループに入り、次も飲み会をしよう!というはなしになった。私も就活をしていて、羽目を外せるところが欲しかったし、友達は相変わらず推しに会いたいそうだったので普通に次の飲み会の計画を立てた。

 

1ヶ月後、2回目の飲み会が開催された。

その日私の友人は携帯を家に忘れてしまい、連絡が取れない状態だった。

Instagramのダイレクトメッセージで、友人の彼氏とは連絡が取れたので、飲み会に来たが携帯を忘れたので連絡が取れないすべを伝えて欲しいと言われたので私が伝えた。

その日も4人での飲み会だったが、その飲み会に男が来ることは言っておらず、言わないで欲しいと言われたので私もある意味嘘をついて友人の彼に連絡をした。

 

彼はなんの疑いもなく、普通に了承していたと思う。しかしその後、私はそのダイレクトメッセージで相談を受けることになるのである。

 

友人の彼は、彼女に気を使われているようであまりいい思いをしていなかったらしい。なんでも決めるのは自分で、ふたりで楽しめるように、楽しく過ごせるように、雰囲気を作っていたのは自分なのだが、それを彼女はわかっていないと。気を使わずに思うことを言って欲しいが、それも言ってくれずに、挙句自分がどうしたいかわからず泣き始めてしまい、自分はそれ以上何も言えなくなってしまったと。

 

私は両者の気持ちがよくわかる。

長い付き合いの友人の考えてることや恋愛に対する価値観も理解しているつもりだが、私はどちらかといえばその彼と考えが似ているからである。

好きなら、自分の気持ちをぶつけたいし、ぶつけられたいと思う。それをされないと何を考えているのかわからなくなってしまうと。

友人と彼が価値観が違うことはわかっていたが、好きならそういう部分も埋めていきたいと思うものではないかと思った。

だから彼の相談にも真摯に乗ったし、きっと時間が解決するよと励ましの言葉も送った。

本当にそう思っていたし、彼女は自分が変わりたいと思っていたことを私も知っていたので、これで距離が縮まればいいなと思った。カップルは喧嘩して仲が深まるものだとおもう。そうやってして、ふたりなりのいい形を築いていってくれればなと思った。

 

しかしその数週間後に破局である。

 

彼女はそういった価値観の違いにだんだん腹をたてるようになった。なんで自分ばっかり言われなきゃいけないのか?我慢しなきゃいけないのか?相手の気持ちや考えを飲み込むことをやめてしまった。そうしたら残ったのは苛立ちだけ。ラインさえもうざいと思えてしまったらしい。

何度か電話をしたいと言われていたようだが、それも断っていたらしい。彼氏も薄々感じていたとおもう。

ただ彼女も実習生で、また新たな実習が始まる前に気持ちに切りをつけたかったらしい。そのタイミングで彼と電話をした。

むかつく。鬱陶しい。持っているのはそんな感情である。すべてをぶつけたらしい。そして、飲み会に男がいたこと、自分がいいと思っている人が他にもいること、その気持ちを持って付き合い続けていたことを伝えた。

 

ごめんね、気持ちが移ってしまったんだ、じゃない。

わたしにはもう次がいると宣言しているも同然である。

そして飲み会に男がいたこと、嘘をついてその飲み会に参加していたこと、そこにわたしがいたこと、それは伝えなくてよかった。

わたしの立場を考えたらもっと伝えなくて良かった。

 

わたしは以上の内容を聞いた時、彼女はほんとに自分のことしか考えてないんだなと、とても失望した。そして今まで、夜中でも休みでも学校とバイトの間でも時間を割いて相談に乗っていたわたしの時間を返せとも思ってしまったのである。

そんな呆気なく終わるなら。そして、仮にも好きだった人を、傷つける形で終わったのであれば。

 

私はとても悲しくなった。

 

彼女が私の立場を考えてくれなかったこと、平気で人を傷つけてしまうこと、そして彼のことを考えたら、相当傷ついただろうと思った。

彼女にとっては次がいるかもしれないが、彼にとっては次はいないのだ。信じていた人に裏切られる感覚。私もかつてそういう経験をしたのでよくわかる。

だからこそ、彼に赤裸々にいうべきではなかった。どんな状況でも相手の気持ちを考えるのであれば。

 

それからというもの、推しメンと恋愛関係になろうと必死な彼女に、全くついていけなかった。そしてその推しメンも同時に、私の大事な友達であったからこそ、前の彼と同じように傷つけたくなかった。

 

ものすごく迷ったが、彼女だけでなくその推しメンにも気持ちがあるようだったので、話を聞くことにした。推しメンに2人で飲みに行こうと誘って話をした。彼も彼女のことを好きらしい。だけど、彼氏がいるのにあざとい行動する彼女が理解できないとも言っていた。だけど付き合えるなら付き合いたいとも言っていたのである。

だけどこのまま付き合えば、絶対同じことの繰り返しだと思った。私は双方のためにも、そして自分のためにもそれはよくないと思った。

私は2人とも大切な友達だし、失いたくない。

とっても悩んだが、推しメンの彼に別れたこと以外のすべてを話した。

 

今ではそれが間違いだったのでは?とおもうことがある。言うべきじゃなかったかもしれない。2人が成り行きで、その場の感情で舞い上がって、付き合ったとしても、それは2人の判断であってわたしには関係ない。だからこそ口を出すべきじゃなかったとおもう。

 

いってしまったことは取り消さないし、しょうがない。今その推しメンとは会ったりラインしたり電話したり2人とも情緒不安定になりながら相談し合っているが正直答えは出ない。

 

考えても考えても疲れるだけでそれ以上の感情がうまれてこない。あ、もういいや。気持ちがストン。って落ちた音がした。

 

あの子達がどうなろうが私には関係のない話なのである。だったらもう、好きにしてもらおう。

私が彼の気持ちを止めたり彼女に説教するのも、また筋違いなのだと感じるようになった。

 

 

 

なんで人は恋愛になると自分勝手になるのだろうか。相手の気持ちを考えられなくなってしまうのだろうか。とてもじゃないけど悲しくなった。人の気持ちの自由さと、冷たさと、その一線に。