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卒業論文を提出した。大学を卒業する。
生物学を学びたくて今の大学に入った。
元々植物が好きで、中学で園芸部員をやってから花とか野菜を育てる魅力を知った。高校で科学部に入って研究することの楽しさを知った。大学に入ってもっと専門的に生物学、植物学を学びたいと思ったし、何より研究がしたいと思った。
生憎頭が悪いので大学は科学部の成績を使って推薦で受けた。秋には信州大学のAO入試最終選考があったがあっけなく落ちた。地元の私立を推薦で受けて、今の大学に入った。
大学なんてどこもそうなのか、はたまた私の大学の偏差値が低いからなのかはわからないが、授業に出るのがだるい、単位取れればなんでもいい、テストなんてカンニングペーパー当たり前、教養の授業はうるさいなんて日常茶飯事、頑張ってるの、ださくね?授業いちばん前で受けるの?意識高w
みたいな大学生ばっかりだった。
わたしが大学に入ってはじめて友達になった子がまさにそんな感じの子だった。
いや、大学に何しに来とんねん。学費よ、学費
学費いくらやと思ってらっしゃる?
みたいにずっと思ってた。
だけど、言えなかったし、わたしそれに合わせることしかできなかった。染まりかけた、というか染まった年もあったのかもしれない。
授業?最低限出ればいいよねw とか
授業真面目に聞くの怠くね? とか
馬鹿みたいなことを言ってたときもあったかもしれない。いや、あったな。
でも、やっぱり興味があることを勉強できるのはとっても楽しくて、こっそり図書館で勉強したり、ひとりで授業取ったりしてた。
大学3年の秋、研究室配属になるとき、私はどうしてもちゃんと研究ができる研究室に行きたかった。研究室が10も超えると、文献調査で卒論が認められる研究室も結構あるから。
だけどなんせ成績がよくないもので、結構賭けて第二志望に書いた研究室が、運よく通った今の研究室である。
本当に運が良く、ひとりひとつのテーマを自由に選べた。私はどうしても高校で研究したテーマと関連させた卒業研究をしたかった。先生に話したら、ぜひ実現させましょう!と。本当にいい先生に出会えた。
そのほかにも新歓、忘年会の幹事も任せて貰えて、とっても信頼してくれていたと思う。ありがたいな。
今回、もちろんこの数ヶ月での卒論は、世界的にものっすごい研究結果が残せたわけではない。むしろ結果は全くうまく出なかった。だけど私は、自分で好きなように実験ができたこと、大学の施設を大いに使って、本当に自由に、研究ができたことに心から満足していた。卒論もきつかったけど、描いてたらあっという間に時間が過ぎていった。
研究室でいちばんに合格をもらい、卒論発表ではいちばんよかった発表だったと絶賛して貰えた。
ああ、頑張ってきてよかったなってほんとうに心の底から思った。泣きそうになった。
好きなこと勉強したい、研究がしたいって思いを、何回も捨てそうになったし、僻まれて妬まれて、馬鹿にされて、本当にそちらの世界に行こうと思ったこともあったけど、自分の信念を曲げずに頑張ってきてよかったなと。そして、見ている人は見ているし、認めてくれる人は認めてくれるんだなと思った。
就職はネクストステップだと思う。
がむしゃらに頑張るってめっちゃかっこいいこと。頑張るってださいじゃんwっていってるやつがいちばんダサい。そんな声も、妬みも嫌味も全部くそくらえだ。
こうやって頑張れる私はきっと強い。
大学入ってよかったなあ。